結結エッセイ03 ちゅら海で素潜り世界一を目指す 篠宮 龍三

沖縄に移住して4年目になります。学生時代より沖縄は大好きで、大学生の時には夏休み、春休みを通じて沖縄の離島を訪れてはキャンプやダイビング、シーカヤック、素潜りなどを楽しんでいましたのでいつかは移住できたら・・・という夢をずっと抱いていました。

以前は伊豆で毎週末トレーニングを積んできましたが、より良好なトレーニング環境を求めて、そして世界のトップを目指して、思い切って移住しました。憧れてこの地にきた私にも当初は多少の不安がありましたが、今ではたくさんの方に支えられてすばらしい環境でトレーニングやスクール、大会運営ができることに感謝しています。

2005年に移住して沖縄を活動の拠点としてトレーニングを行い、ヨーロッパなどへの国際大会へ出場してきました。「日本人のプロとしていかに世界で勝てるか?」という目標を自分に課し世界の海を転戦。2005年はエジプト大会、2006年はフランス大会、そして2007年はエジプト大会と、三年連続で個人総合優勝を果たすことができましたが、これは全て沖縄のちゅら海で日々トレーニングすることができたおかげだと思っています。また2008年にはバハマでアジア人初となる水深100m越えを達成し、今年2009年には憧れだったジャック・マイヨール氏の素もぐり最高記録105mに到達することができました。

ニース、マルセイユ、ギリシャ、キプロス、ハワイ、エジプト、バハマ、バンクーバー、モナコ・・・これまで世界中の海に潜ってきました。すべての海が思い出深いのですが、やはり一番好きな海は沖縄のちゅら海です。青く澄んで温かく、サンゴや魚たちがあふれる本当にすばらしい海です。また陸上ののんびりとした雰囲気がそのまま海の中へつながっているような、とても心が落ち着く海。世界の海で潜ってみて、なにも遠くへ出かけなくてもこの沖縄の海が一番だ!ということに気がつきました。

これからは競技活動とともにちゅら海に対してささやかな恩返しをしていきたいと思っています。そのためにはまず、沖縄の海の素晴らしさをよりたくさんの人に知ってもらうことが大切だと考えています。美しいものを見ると人はそれを守りたくなるはずです。

具体的なプランとして、来年2010年にフリーダイビングの世界選手権を沖縄に誘致する計画があります。国際的なイベントを開催することにより、改めて沖縄の海の素晴らしさを国内外へアピールできると考えています。ちゅら海を世界中から集まったダイバーでシェアする、そしてのんびりとした自然の中で、温かい地元の方々と触れ合いを持つ・・・そんな大会にしたいと今からわくわくしています。

篠宮龍三

PROFILE

篠宮 龍三 (しのみや りゅうぞう)

埼玉県生まれ。プロフリーダイバー。
2008年4月バハマにて、アジア人初となる水深100mを達成。同年AIDA世界ランク2位入賞(-104m)。2009年4月にはジャック・マイヨールの自己最高記録である水深105mに純粋な素潜りのコンスタント種目で到達。国内唯一のプロ選手として国際大会を中心に参戦中。競技活動の傍ら、沖縄でスクールや大会も運営。
『OneOcean』を自身のメッセージに掲げ、様々なイベントをプロデュース。

次回予告

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